30代も目前に迫った29歳。年齢をはじめ、女性特有のライフステージの変化などさまざまな心配ごとが出てくるため、転職するにも一歩を踏み出す勇気がいるでしょう。
結論からお伝えすると、29歳の女性であっても転職は難しくありません。求人のなかには未経験OKの職種もあり、30代に入ってからのチャレンジよりも選択の幅が広いため、キャリアチェンジも可能な年齢であるためです。
今回は、29歳女性の転職事情や、転職前に考えておきたい軸と対策、未経験にキャリアチェンジする場合のポイントなどを紹介します。未経験・スキルなしでも採用されやすいおすすめの職種にも触れているので、転職を迷っている方はぜひ参考にしてください。
- この年代の約4~5人に1人は、転職を成功させている
- 未経験へのキャリアチェンジは、最後のチャンスと思って臨む方がよい
- 転職先を決める際には、実際に働いている女性の口コミ・評判を参考にするのがおすすめ
女性の企業口コミ投稿サイト「SHEHUB」![]() SHEHUBは、女性社員の口コミのみを掲載した投稿サイトです。 一つひとつの口コミを丁寧に審査し、働く女性に価値ある情報を厳選してお届けします。 「求人情報や企業ホームページだけではリアルな職場環境がわからなくて不安」という方は、職場環境や働いている人の満足度、復帰後の仕事の状況など、女性社員の本音を探し、就職活動・転職活動に役立てましょう。 |
女性限定の転職エージェント「SHE HUBエージェント」![]() SHE HUB転職エージェントは 自分らしく、キャリアを築きたい女性の転職を 全力で支援する転職サービスです。 自己分析診断結果やカウンセリングを通じで女性の「ホンネ」を引き出します。アドバイザーは全員女性でかつ、キャリアアップを実現したスタッフのみ。安心してあなたのキャリアを相談できます。 |
29歳女性の転職事情と傾向
まず29歳の女性が転職する背景や事情を見ていきましょう。29歳を含む20代後半では、約20%の人が離職している一方、約18%の人が入職していることから、約4~5人に1人が転職していることがわかります。
この年代の主な転職理由は「労働環境の改善」や「人間関係の改善」です。雇用形態については、約6割が正規雇用で働いている一方、約2割の方はパートや契約社員などの非正規雇用で労働に従事しています。年収の目安は360万円前後が多くなっています。
29歳女性における離職率
厚生労働省の「年齢階級別の入職と離職 令和3年1年間の入職率」によると、25~29歳女性の離職率は19.2%です。この年代の約5人に1人が、何らかの理由で離職していることになります。同年代の入職率は17.9%のため、離職した人のうちほとんどの人が転職していることがわかります。

引用:年齢階級別の入職と離職 令和3年1年間の入職率(厚生労働省)
上記のグラフによると、10代の離職率が最も高く、20代前半~後半と年齢を重ねるごとに離職率は低下する傾向にあることがわかります。
10代後半から20代前半のうちは、キャリアプランが定まっていなかったり、慣れない社会人生活に疲弊してしまったりと、自身の適性を模索する時期でもあることから離職率が高くなっています。
29歳を含む20代後半からは、自身の将来を見据えて、長く安定的に働きたいと考える人が増えることから、離職率も徐々に落ち着き始めます。そうした背景があっても尚、女性の約5人に1人が離職する理由としては「ライフステージの変化」が挙げられます。
結婚による引越しで通勤が厳しくなったり、妊娠・出産で育児に専念したりと、プライベートの変化により離職を余儀なくされるケースが考えられます。
また、一般的に30代に入ると転職が難しくなることから、20代のうちに転職しておこうと考える人もおり、それらの結果が19.2%という数字に表れていると推測できます。
29歳女性に多い転職する理由
厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果の概況」によると、25~29歳の女性の転職理由でもっとも多いのは「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」です。そのほかの理由は次のとおりです。
年齢層 | 割合 |
---|---|
労働時間、休日等の労働条件が悪かった | 18.4% |
職場の人間関係が好ましくなかった | 14.8% |
仕事の内容に興味を持てなかった | 9.0% |
給料等収入が少なかった | 7.2% |
能力・個性・資格を生かせなかった | 6.1% |
会社の将来が不安だった | 3.7% |
29歳は、結婚適齢期である20代後半から30代前半に当てはまることから、多くの女性が結婚やその先にある妊娠・出産を意識しはじめる年齢です。そのため、将来的なライフステージの変化に備えて、労働環境を見直したいと模索する女性が増えてきます。
また、30代を目前とした29歳は最後の転職チャンスとも言える年齢です。「この先も長く働くなら、人間関係の良い職場がよい」や、「育児中でも助け合える人間関係・職場環境がよい」など、人間関係を重視して転職活動をする人が多いことも納得できる理由でしょう。
29歳女性の働き方の傾向
厚生労働省の「雇用の分野における女性活躍推進等に関する参考資料」によると、25~29歳の女性の就労形態は下記のようになっています。
年齢層 | 割合 | |
---|---|---|
正規雇用率 | 60% | |
非正規雇用率 | 全体 | 約18~19% |
パート・アルバイト | 約12~13% | |
派遣社員 | 約3% | |
契約社員 | 約3% |
約6割の女性が正規雇用として就業している一方で、約2割の女性はパート・アルバイトや派遣社員、契約社員などの非正規雇用として働いています。
正規雇用率は20~24歳から徐々に上昇しはじめ、25~29歳でピークを迎えます。その後は、年齢とともに緩やかに下降していくため、30歳前後を目安にライフステージの変化などにより働き方を見直す女性が増えると考えられるでしょう。
29歳女性の平均年収
国税庁の「民間給与実態統計調査結果」によると、25~29歳の平均年収は360.7万円となっています。19~39歳までの年代のなかで、25~29歳の年収が最も高くなっているのは、先に紹介した働き方による影響が大きいでしょう。つまり、正規雇用率が高いことが平均年収の高さに影響していると推測できます。
年齢層 | 平均年収 |
---|---|
19歳以下 | 115.9万円 |
20~24歳 | 256.5万円 |
25~29歳 | 360.7万円 |
30~34歳 | 353.1万円 |
35~39歳 | 347.5万円 |
20代前半は社会人経験が浅く、見習いのようなポジションですが、20代後半からは会社の利益を生み出す即戦力として期待されることから年収が上がります。これらの役割の違いが、そのまま年収の違いに現れていると言えるでしょう。
ただし、これはあくまで平均年収です。同業種の転職するか、または未経験の業種・業界を希望するのかによっても年収は変わります。
同業種の場合は、現職と同じかそれ以上の年収が期待できますが、未経験の職種・業界の場合は新人扱いになるため、年収が下がる可能性が高いことを留意して転職活動に臨む必要があります。
29歳女性が未経験に転職するのは遅くない理由
結論からお伝えすると、29歳の女性でも未経験の職種・業界に転職するのに遅いことはありません。その理由は下記のとおりです。
性別関係なく29歳という年齢をフラットに見た場合、社会人歴が6年以上あり、ビジネスマナーなどの基礎はもちろん、仕事のやり方やコミュニケーションの取り方といったプラスアルファの能力も身についているのが29歳という年齢です。
20代後半のなかでもより即戦力としての可能性を秘めていることから、転職市場におけるニーズが高い年齢でもあります。そのため、「女性だから難しい」ということもなく、未経験でも興味がある分野があれば、積極的に転職活動を行ってみることをおすすめします。
30歳で転職を考えるよりは選択肢が多い
20代前半では、入社後の伸び代を重視するポテンシャル採用が主流に採用が行われます。20代後半からは。ポテンシャル採用が徐々に減り、入社後に即戦力になることを期待される『即戦力採用』にシフトしていきます。
そして30代からはポテンシャル採用がほぼなくなり、即戦力採用が主になるため、未経験の職種・業界への転職は20代後半がギリギリとも言えるタイミングになるのです。
30代になっても、業界によってはポテンシャル採用により未経験OKのケースもあります。しかし、20代よりも圧倒的に数は少なくなるため、キャリアチェンジを望む場合は「もうすぐ30歳だから」と考えるのではなく、選択肢が少しでも多いうちに転職活動に励む方がよいでしょう。
未経験OKかつ手に職がつく仕事もある
厚生労働省の「若年者雇用を取り巻く現状」によると、中途採用の選考で重視する項目は、「実務経験」に次いで、「コミュニケーション能力」や「熱意・やる気」が多くなっています。

29歳で未経験の業種・職種への転職は厳しいと思われるかもしれませんが、20代であるうちはまだ柔軟性が高いとみられます。社会人としてのベースはしっかりできているうえで、特定の企業文化に染まりきっていないため、自社に適したな人材に早期に育成できる可能性を評価されるケースも多々あります。
特に狙い目なのが、未経験でも採用されやすいITエンジニアや介護福祉士、学校事務など、手に職を付けられる仕事です。29歳の転職でこうした職種を選んでおけば、ライフステージの変化などにより一旦職を失ったとしても復職しやすいでしょう。
人手不足により女性の求職者ニーズも増加傾向にある
帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査」によると、正社員・非正社員ともに人手不足の割合は増加傾向にあります。

業界別では、IT企業が該当する「情報サービス業界」や「建設業界」、インバウンドによる需要が好調な「旅館・ホテル業界」の人手不足が深刻になっています。
このなかでも特にITエンジニア不足に悩む「情報サービス業界」においては、DXによる堅調な需要拡大により人手不足が今後も長引くことが見込まれています。
いずれの業界においても人手不足感が課題となっており、働きたくても働けない女性の現状を踏まえて、女性活躍推進法といった法律が制定されるなど、女性が社会で活躍する働きかけが行われています。このことからも女性求職者のニーズが高まっていることがわかります。
働き方や価値観の多様化などにより転職回数がネガティブにならない
一度入社したら、定年まで勤め上げる時代とは異なり、現在では転職することが普通の時代になっています。29歳の場合、複数回転職をしていたとしても社会人経験が短い20代前半のそれとは違い、「根性がない」「すぐに辞めるのでは?」といった心配もされにくい傾向にあります。
むしろ2~3回程度の転職回数であれば、「複数の企業に勤めたことで経験値が高い」とみなされるケースもあります。
ただし、転職理由と積み上げた実績を見られる点には注意しましょう。過去の転職の経緯に相応の理由がなければ、企業も採用しづらくなります。加えて、スキルも実績もない場合はなおさら厳しい目で見られるため、小さくても何か積み上げてきた実績がないか深掘りしておく必要があります。
29歳女性に考えてほしい転職の軸と対策
29歳の女性が転職の際には、次のような軸に沿った対策を取る必要があります。
転職の視点 | 転職成功のポイント | |
---|---|---|
キャリアプランから考える | 同業種でキャリアアップを図る場合 | ・これまでの経歴と習得してきたスキルを十分に活かせる即戦力としての魅力をアピールする ・現在の環境・役職を捨ててまで別会社に移りたい理由を明確にする |
未経験の異業種にキャリアチェンジする場合 | ・教育体制が整っている会社を選ぶ ・異業種を選択した理由を明確に言えるようにする | |
ライフプランから考える | 結婚のタイミング | ・結婚による生活の変化が落ち着いてから転職する ・キャリアプランを明確にしておく |
出産・育児のタイミング | ・育児が落ち着いてから転職する ・出産 ・育児を予定している場合は、早めに行動する | |
復職のタイミング | ・やむおえない事情があるなど、転職理由を工夫する |
29歳女性が転職する際の大きな軸として、「キャリアプラン」と「ライフプラン」があります。そこから細分化して、転職に際しては「キャリアアップ」と「キャリアチェンジ」があり、女性はライフステージの変化が訪れる可能性があるため、これらの軸を抜きにして転職は語れません。
大まかにこの2つのどちらを優先するかは、それぞれの考え方によって異なりますが、たとえば結婚のタイミングで転職をする場合、転職と結婚を同時に行えば大変なことを一気に済ませられるかもしれません。しかし、忙しさにより気持ちに余裕がなくなり、仕事も結婚生活もギクシャクすることが予想されます。
そのため、結婚に限らずライフプランを軸に考える場合は、プライベートの状況が落ち着いてから転職活動に取り組むのがおすすめです。
キャリアプランから考える転職の軸と対策
キャリアプランとは、仕事や働き方に関する将来設計です。将来的に理想とする働き方や業務内容における計画を立て、その計画に沿って転職の方向性を考えます。
年齢や性別関係なく責任のある仕事を任されたい、出世したいというキャリア志向の人がいる一方で、出世とは無縁の場所でゆっくり仕事をしたいという人もいるでしょう。
キャリアプランを考える際は、あくまで自分自身がどうしたいかに耳を傾けます。一般論に傾倒してしまい、本来望む形とは違うキャリアプランを掲げてしまうと、転職活動に成功したとしても、仕事を含めたその後の人生が苦しいものになってしまう可能性があります。
キャリアプランに一律の正解はないため、まずは自分自身と向き合い、仕事に対する考え方や姿勢、社会との関わり方などを深掘りし、理想のキャリアプランを計画してみましょう。
同業種でキャリアアップしたい
現職の職務内容に不満はないけど環境を変えたい、ステップアップしたいと考えている場合は、次のポイントを意識して転職活動を行いましょう。
- 転職先の会社の選び方:現職で不満に思っている点を満たせる企業を選ぶ
- 面接対策:より活躍できる環境に身を置きたいなど、ポジティブな内容を伝える
- 転職後の働き方:これまでの経験やスキルを活かしたうえで、転職前と転職先の企業の良いとろころを融合させ、企業に新たな発想をもたらせるようにする
キャリアアップを目的に転職する場合、特定のポジションを募集している求人に応募するのがおすすめです。もしくは、「管理職“候補”」など、将来的なポジションが確約されている求人に応募するのがよいでしょう。
同じ業種で別の企業に転職するということは、現在の職場に何かしら不満を抱えているケースが多いはずです。転職理由では、その不満をストレートにぶつけてしまうと、他責思考の強い人と捉えられるリスクがあります。そのため、転職の直接的な原因がネガティブなものであったとしても、成長志向に見られるようにポジティブに言い換えるようにしましょう。
たとえば、「頑張っても評価されない」ことが不満である場合は、「成果に応じた評価を求めている」という意思を伝えます。企業からすると「つまり成果を出す自信がある」と映るため、前向きに捉えやすくなります。
未経験の異業種にキャリアチェンジしたい
30代になると、ポテンシャル採用はなくなると言っても過言ではありません。つまり、29歳はキャリアチェンジの最終チャンスとも言える時期です。このチャンスを活かして、29歳で異業種にチャレンジする場合は、次のポイントを意識しておきましょう。
- 転職先の会社の選び方:教育体制が整っている会社を選ぶ
- 面接対策:興味を持ったきっかけや前職で得た知識・スキルとの親和性の高さなど、熱意を持って伝える
- 転職後の働き方:「見習い」のつもりで知識やスキルをいち早く吸収できるよう尽力する
29歳からまったくの異業種にチャレンジするのは簡単ではありません。そのため、興味のある業種に飛び込むのもよいですが、現職との親和性の高さも考慮すると、異業種でも採用されやすく転職後の仕事にも慣れやすいでしょう。
たとえば医薬品の販売スタッフから、医療品メーカーの営業に転職するなどです。ほかにも営業職など、職種を軸として業界を変えるのもおすすめです。親和性の高い業種であれば転職理由も考えやすく、さらに採用側も納得感を得やすいため、転職成功率が上がることも期待できます。
ライフプランから考える転職の軸と対策
結婚適齢期のど真ん中にいる29歳の女性は、結婚をはじめ妊娠・出産などのライフステージの変化の渦中にいる人や、近々変化を迎える予定がある人も多いでしょう。そのため、29歳が転職考える場合には、女性に訪れるライフプランも考慮しなければいけません。
結婚のタイミングで転職を考えている場合は、転居先からの通いやすさやパートナーとの生活リズムの合わせやすさなども転職理由の一つの軸になるでしょう。
妊娠・出産のタイミングで転職する場合は、産前・産後休暇や育児休業など、育児に関する制度やサポートを受けやすいかもポイントです。
結婚による転職への影響
厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果の概況」によると、各年代で結婚を機に転職を決めた女性の割合は次のとおりです。
年齢層 | 割合 |
---|---|
19歳以下 | 0% |
20~24歳 | 1.6% |
25~29歳 | 5.3% |
30~34歳 | 2.7% |
35~39歳 | 1.2% |
40~44歳 | 1.3% |
結婚は新生活のはじまりであると同時に、新たな環境の訪れでもあります。その変化になれるまでは、私生活の疲れにより作業効率が落ちるなど、仕事にも影響が出てしまう女性もいるでしょう。一方で、新生活のスタートに気持ちにもハリが出て、やる気が向上し、仕事の効率が上がるケースもあります。
前者の場合は、環境に慣れないうちに無理に転職してしまうと、結婚生活も仕事もうまくいかないという最悪の事態になりかねません。そのため、プライベートが落ち着いてから転職するのがおすすめです。
また、結婚のタイミングで転職する場合は、今後のライフイベントを見据えた会社選びが重要です。代表的なのは出産・育児でしょう。産前産後休暇や育児休業制度の取りやすさ、復職のしやすさ、時間勤務など柔軟な働き方ができるかは非常に重要です。
また、将来的に出産・育児を考えている場合は、ワーキングマザーが働きやすい制度・サポートが充実しているかどうかもチェックしておきたいポイントです。転職先となる部署やチームに、産休・育休から復職した先輩社員がいると心強いでしょう。
出産・育児による転職への影響
厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果の概況」によると、25~29歳の女性で「出産・育児」を理由に転職した女性の割合は1.4%です。
年齢層 | 割合 |
---|---|
20~24歳 | 0.3% |
25~29歳 | 1.4% |
30~34歳 | 5.2% |
35~39歳 | 2.6% |
40~44歳 | 3.7% |
厚生労働省の発表によると、第一子を出産する平均年齢は30.9歳です。上記を見てもわかるとおり、このタイミングで転職をする人が多く、パートやアルバイトを含め、妊娠・出産は働き方を考えるタイミングでもあります。25~29歳においてはその割合が少なめですが、同様の理由で転職を決意する人もいるでしょう。
妊娠・出産を控えている場合は、この先一定期間の休業を余儀なくされることから、企業側も積極的に採用しづらいのが本音です。そのため、子どもがある程度大きくなり、安定的に稼働できる基盤が整ったタイミングで転職活動をはじめるの人も多いです。
復職タイミングによる転職への影響
育休中に配置転換されたり、雇用形態の変更を求められるなど、復職のタイミングで転職を検討する女性も一定数いるでしょう。この場合は、復職してからでは身動きが取りづらくなるため、育休中から行動するのがおすすめです。
ただし、企業によっては育休中に転職する人に対して良くない印象を抱くケースもあります。自ら言い出す必要はありませんが、質問されたら「仕事と育児の両立が難しかったため」など、やむおえない事情により転職活動をしていることを伝えましょう。
転職先に選ぶのは、転職を考えた直接的な理由となる原因をカバーできる企業です。たとえば、時短勤務を希望しているのにフルタイムでの勤務を強要された場合は、時短勤務やリモートワーク、フレックスタイムでの勤務が可能な企業を探すといった具合です。
29歳女性がスキルなしで未経験の仕事に転職するポイント
29歳の女性がスキルなしで未経験業種に挑む場合は、下記のポイントを意識して転職活動を行いましょう。
30歳を目前にすると年齢が大きな壁のように思えてしまいます。しかし、転職市場では29歳はニーズの高い年齢であり、世間一般で言われるほど「厳しい」状況にはありません。
ただし、20代前半と比べられると採用率は下がるため、未経験でも採用されやすい業界や職種を選んだり、年収が下がることは受け入れるなど、優先順位を明確にする必要はあります。
失敗や後悔は20代で経験しておく方がよいとポジティブに考える
「やらぬ後悔より、やる後悔」という有名な言葉がありますが、29歳で転職にチャレンジして失敗した場合、「精一杯やったけどダメだった」という経験が得られます。
一方で、チャレンジしなかった場合は、30~40代と歳を重ねるごとに「あのとき転職しておけば良かった」という後悔が、一生とまではいかなくても長い間ついて回ることになるでしょう。
失敗を前提にしていますが、30代で転職活動するよりも、ギリギリでも20代で転職活動したほうが年齢的な見方としては有利に働きます。転職成功の可能性が高いのは言わずもがな30歳よりも29歳なので、チャレンジしないに越したことはありません。
しかし、繰り返しになりますが、結婚や出産などのライフイベントを控えている女性は理想の転職が難しいことも事実です。もし転職活動のなかで、これらの事情をマイナスに捉えるような企業に出会った場合は、価値観の相違でこちらから断るくらいの気概で臨むようにしましょう。
スキルは30歳からでも身に付くため遅くはないことを知る
一般的に、若い方が吸収力が高く、新たなことを覚えやすいと言われます。しかし、30歳を目前とした29歳も長い人生から見ればまだまだ若年層です。年齢を重ねるごとに記憶力が増すことはないかもしれませんが、70代で司法試験に合格する人がいることも事実です。
興味があれば、何歳からでも新しい知識やスキルを習得できるため、年齢を理由に未経験の職種・業界への転職を諦めるのはもったいないでしょう。未経験の職種・業界であれば、まっさらな状態から知識・スキルを習得できるため、30歳からスキルアップする楽しさを実感できます。
ライフステージの変化に備えた働き方を追求する
これから先、ライフステージの変化を予定している女性は、その変化に備えた働き方を追求する必要があります。具体的な状況は人それぞれで異なりますが、一般的には、転勤がある仕事や不規則な勤務形態の仕事は避けるのが無難です。
ただし、どうしてもやりたい仕事がある場合は、家族の理解と協力を得ることで実現可能なケースもあります。その場合は、先に転職先を決めてしまうのではなく、家族に相談し、協力体制が得られることを確約してから転職活動をするようにしましょう。
特に子どもを持つことに関しては、採用する企業側も心配になる点です。選考に進む際に、休日や残業が発生した場合でも子どもをみてくれる家族がいることを伝えれば、企業側も安心して採用を出しやすくなるでしょう。
年収が下がることは受け入れる
業務内容や業界の慣例などを熟知してる同業種に転職する場合は、即戦力としての活躍が期待されるため、年収は現職と変わらない、または上がる可能性もあります。
しかし、未経験業種・業界に転職する場合は、これまで築いてきた経歴や知識・スキルのアドバンテージは通用しないため、基本的には年収は下がると考えておきましょう。
例外として、現職でマネージャー以上の役職にあった場合や、大きな実績を上げている場合などは、管理職候補として今よりも高い年収が適用されるケースもあります。また、営業職など、成績に応じてインセンティブが発生する職種に転職する場合も年収が上がることが期待できるでしょう。
未経験・スキルなしでも採用されやすい仕事を選ぶ
未経験職種・業界への転職を目指す場合、スキルなしでも採用されやすい仕事を選ぶ方法もあります。具体的には人手不足が深刻なIT業界や、スキルがなくても取り組みやすい事務職、接客業などは、未経験でも採用されやすい傾向にあります。
Web関連職:クリエイティブな業務に関わりたい女性におすすめ
ITエンジニアやWebデザイナー、Webライター、Webマーケターなど、Webに関連する職種は、未経験・スキルなしでも挑戦しやすい仕事です。なかでもITエンジニアはDX推進の影響もあり、今後さらに需要が拡大することが見込まれるため、手に職付けるという意味でもおすすめの職業です。
方法やアプローチが違っても基本的には一つのものを作りあげる仕事なので、クリエイティブな活動が好きな人に向いています。一方で、作業は黙々と行うことが多いため、集中して作業を行うのが苦手な人には向かない仕事です。
【Web関連職で働く女性の口コミ・評判】
20代後半 / 正社員 / WEBデザイナー / 役職なし
チームワークが重視され、プロジェクトごとに異なる才能が集まります。フレキシブルな働き方が可能で、ワー…続きを読む
20代後半 / 正社員 / プログラマ(オープン系・WEB系) / 役職なし
他の女性に自分の会社を勧めたいかですが、性別に関係なくエンジニアとしての技術レベルに応じて昇給していく会社なのが魅力的です。実際に社内でも活躍している女性が多いです。…続きを読む
20代後半 / 正社員 / 生産管理・品質管理 / 役職なし
エンジニアは、力量や実績によって正しく評価され、若い方でも実力が伴っていれば、役職がどんどん上がって…続きを読む
事務職:ワークライフバランスを重視したい女性におすすめ
事務職は、書類の作成・処理、管理をはじめ、データ入力や来客応対・電話応対など、事務作業全般を担う仕事です。基本的には定時上がりで土日祝日が休みであることが多いため、ワークライフバランスを重視する女性におすすめです。
ただし、事務職とひと言で言っても一般事務や営業事務、経理事務など、さまざまな種類があります。法務など専門的な知識を求められる事務職もあれば、経理のように繁忙期には残業が続く事務職もあります。
一般事務や営業事務は、法務や経理などに比べると専門知識を求められることは少ないですが、残業などは会社によっても異なるので、企業の口コミなどを確認して下調べしておきましょう。
【事務職で働く女性の口コミ・評判】
20代後半 / 正社員 / プログラマ(オープン系・WEB系) / 役職なし
事務系の職種であれば女性でも管理職についている人がいました。事務職は基本的に女性ばかりなので働きやす…続きを読む
20代後半 / 正社員 / 一般事務 / 役職なし
一般事務としては給与は普通だと思います。ただ賞与が年3回あり、一般事務としては多めにもらえると思いま…続きを読む
20代前半 / 正社員 / 医療事務 / 役職なし
医師事務・作業補助者の仕事は医師並みの知識がいるにも関わらず、金銭面ではやや少ないと感じますが、知識…続きを読む
接客業:人と話すのが好きな女性におすすめ
接客業とは、お店や施設に来たお客様にニーズに沿って応対する仕事です。具体的には飲食店のホールスタッフやアパレル販売員、ホテルの受付などが該当します。
不特定多数の人と会話する必要があるため、人と話すのが好きな女性におすすめです。また、相手の立場になって商品やサービスを提案するのが好きな女性にも向いている仕事と言えます。
接客業の就業時間は不規則になることが多いですが、状況にあわせて時短勤務などに切り替えやすいのも特徴です。ただし、店舗や施設に配属されている人員が少ない職場に転職してしまうと、子どもがいるいないに関わらず、休日勤務を余儀なくされることもあります。
そのため、気になる企業がある場合は、同じ状況下で働く女性の口コミなどを確認して転職先を決めることをおすすめします。
【接客業で働く女性の口コミ・評判】
20代前半 / パート / その他のサービス関連職 / 役職なし
笑顔での接客が必要なので、女性にむいていると思います。ほとんどの従業員が女の人で、働きやすい環境だと思います。主婦も多く、自分と同じ境遇なので子供のことなどを相談したり…続きを読む
20代後半 / 契約社員 / 販売・接客・ホールサービス / 役職なし
化粧品や健康食品の接客販売を行っており、美意識や健康意識の高いお客様、特に女性のお客様と接する機会が多いです。お客様とのやり取りを通じて、トレンドや商品知識を深めることができ、毎日がとても充実しています。…続きを読む
20代後半 / 正社員 / 医療事務 / 役職なし
接客業のため、リモートワークなどは一切なく毎日通勤していましたが、妊娠中は接客をほとんどせずに、奥で座って事務作業を行わせてもらっっていました。…続きを読む
手に職をつける仕事を選ぶ
29歳の女性はこれからライフイベントを迎える人も多く、その影響によりキャリアが左右される可能性があることも考慮しなければいけません。そのため、このタイミングで転職する際には、ITエンジニアや行政書士、宅地建物取引士など、手に職をつけられる仕事を選ぶのもおすすめです。
手に職を付けておけば、今後またライフステージの変化によりブランクが空いたとしても復帰しやすかったり、フリーランスやリモートワークなど柔軟に働き方を選択できたりします。
手に職を付ける方法や、おすすめの仕事については以下のページで詳しく解説しています。

転職エージェントを活用する
未経験・スキルなしで転職する場合は、転職エージェントの活用がおすすめです。転職エージェントでは、キャリアアドバイザーによる転職活動のサポートを受けられます。
具体的には、求職者の状況などを考慮して最適な求人を紹介してくれたり、面接対策や日時の調整、就業時の給与交渉なども行ってくれます。
また、転職の方向性や行きたい業界などが決まっていない場合でも、会話からその人の特性や理想とする職場環境を引き出し進路を示してくれます。
スキルの有無に関係なく自力で活動するよりも良い条件での転職が期待できるため、未経験・スキルなしでの転職は転職エージェントを積極的に活用していきましょう。
女性限定の転職エージェント「SHE HUBエージェント」![]() SHE HUB転職エージェントは 自分らしく、キャリアを築きたい女性の転職を 全力で支援する転職サービスです。 自己分析診断結果やカウンセリングを通じで女性の「ホンネ」を引き出します。アドバイザーは全員女性でかつ、キャリアアップを実現したスタッフのみ。安心してあなたのキャリアを相談できます。 |
29歳女性におすすめの転職先の探し方
最後に、29歳女性におすすめの転職先を探す方法を紹介します。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
転職エージェント | ・選考対策のサポートを受けられる ・自分の客観的な市場価値を計れる | ・自分のペースで活動を進めづらい ・担当者によってサポートの質が異なる |
転職サイト | ・自分のペースで転職活動ができる ・求人数が多く、幅も広い | ・自力で求人を探す必要があり、時間がかかる |
経験・未経験を問わず、29歳は20代前半に比べると転職事情が厳しくなるのは事実です。そのため、一人で転職活動を行うよりもプロが伴走してくれる転職エージェントの活用がおすすめです。
特に30歳手前であること懸念している人や、将来に不安を抱えている人にとっては、転職エージェントは強い味方となってくれるでしょう。
転職エージェント
転職エージェントは、転職希望者と企業をマッチングするプロである、キャリアアドバイザーからのアドバイスを受けつつ転職活動ができるサービスです。
働き方や年収、勤務地などの希望条件に合致した企業を紹介してくれるだけでなく、書類作成や面接対策などの選考対策も行ってくれるため、一人で転職活動を行うよりも転職の成功率を上げられます。
また、なんとなく転職したいなど、希望条件がわからない場合でも、面談から進むべき方向性や適性を判断し、より最適な業界・職種のアドバイスを受けられます。合格が出たあとも労働条件の交渉まで対応してくれるため、年齢やライフステージの変化による影響に不安を抱えている人でも安心感を持って転職活動に取り組めるでしょう。
特に一人での転職活動が不安な女性や、現職や子育てに追われて転職活動に割く時間があまり取れない女性におすすめの方法です。また、転職エージェントは非公開求人も保有しているため、より好条件の職場に転職したい女性も検討すべき方法と言えます。
転職サイト
幅広い業界・職種の求人が掲載されている転職サイトは、特に未経験の業界・職種への転職を考えている女性におすすめのサービスです。
転職エージェントと異なり、自身で求人を探して応募する必要があるため、自己分析や理想のキャリアを明確に描けている女性、転職先をじっくり吟味したい女性に向いています。検索条件も細かく設定できるため、転職先の条件にこだわりがある場合にもおすすめです。
一方で、企業選びから選考対策など、すべての転職活動を自分一人で行う必要があるため、入社まで走りきる体力・精神力がない女性だと、途中で転職事態を諦めることになりかねません。どちらの方が向いているかは実際に利用してみないとわからないこともあるので、迷った場合は併用も視野に入れてみましょう。
転職エージェント、転職サイトのどちらの方法にしても、転職を成功に導くためには求人や公式HPではわからない企業の内情まで把握したうえで入社する必要があります。
そのため、企業選びの段階で実際に就業している女性の口コミや評判を把握することが大切です。「SHEHUB」では、実際に働いている女性の口コミを掲載しています。働いてみてのリアルな口コミ・評判を確認できるので、転職先選びの際に参考にしてみてください。
まとめ:29歳女性でも未経験に転職できる
29歳の女性であっても未経験業種・職種への転職を諦める必要はありません。年齢を前に「未経験にキャリアチェンジは難しい」と思うかもしれませんが、30代になるとより難しくなるため、チャレンジするなら転職成功の可能性が高い29歳のうちにしておく方がよいでしょう。
しかし、「人生最後の転職」になるかもしれない29歳での転職において、表面的な評判だけで転職先を決めるのはリスクが高すぎます。そのため、転職先探しの際には、SHEHUBで実際に働いている女性社員のリアルな口コミ・評判を確認のうえ、この先の職業人生を委ねる企業を探してみてください。