「女性活躍推進」という言葉をよく耳にするようになった今、多くの企業が女性の働きやすい環境づくりに取り組んでいます。しかし、実際に転職や就職を考えたとき、「本当に女性が活躍できる企業はどこ?」「制度は整っていても、実態はどうなの?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
20代は特に、これからのキャリアを考える大切な時期。今の職場で将来のキャリアパスが見えなかったり、頑張っているのに正当に評価されていないと感じたり、結婚や出産を考えたときに両立できるか不安だったり——そんな悩みを抱えながら、日々仕事に向き合っている方も少なくないはずです。
この記事では、女性が本当に活躍できる企業の見極め方や、業界別の活躍状況、実際に働く女性たちの生の声をもとに、あなたらしいキャリアを築くためのヒントをご紹介します。制度だけでなく、実態まで踏み込んだ情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。

女性活躍の現状|データで見る働く女性のリアル
まず、日本における女性活躍の現状を、客観的なデータから見ていきましょう。内閣府の男女共同参画局によると、女性の就業率は年々上昇しており、2023年時点で25〜44歳の女性就業率は約80%に達しています。かつて見られた「M字カーブ」(結婚・出産期に就業率が下がる現象)も、徐々に解消されつつあります。
しかし、数字だけを見て安心するのは早計です。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、女性の平均年収は男性と比較して約75%程度にとどまっており、管理職に占める女性の割合も約13%と、先進国の中では依然として低い水準です。
つまり、働く女性の数は増えているものの、「活躍」という観点では、まだまだ課題が残されているのが現状なのです。だからこそ、本当に女性が活躍できる環境を見極める目を持つことが、あなたのキャリアにとって非常に重要になってきます。
女性管理職比率の実態
帝国データバンクの調査によると、2024年時点で女性管理職比率が30%以上の企業は全体の約15%程度。多くの企業が「女性活躍推進」を掲げながらも、実際には管理職への登用が進んでいないのが実情です。
しかし一方で、IT業界やコンサルティング業界、外資系企業などでは、実力主義の評価制度が浸透しており、性別に関係なくキャリアアップできる環境が整いつつあります。業界や企業によって、女性の活躍状況には大きな差があることを理解しておきましょう。
女性が本当に活躍できる企業の7つの特徴
制度が整っているだけでは、本当の意味で「活躍できる」企業とは言えません。ここでは、実際に女性が長く働き続け、キャリアアップできる企業に共通する7つの特徴をご紹介します。
1. 実力主義の評価制度がある
女性が活躍できる企業の最大の特徴は、性別や年齢ではなく、成果や能力で公平に評価される仕組みがあることです。年功序列や暗黙の「男性優位」文化が残る企業では、どれだけ頑張っても正当に評価されない可能性があります。
評価基準が明確で、目標設定と評価のプロセスが透明化されている企業を選びましょう。また、評価者研修などを通じて、無意識のバイアス(偏見)を排除する取り組みを行っている企業は、より信頼できます。
2. 女性管理職のロールモデルが複数いる
制度上は女性管理職の登用を推進していても、実際に管理職として活躍している女性がいなければ、それは「絵に描いた餅」に過ぎません。面接や企業訪問の際には、実際に女性管理職が何人いるのか、どのようなキャリアパスを歩んできたのかを確認しましょう。
特に、既婚者や子育て中の女性管理職がいるかどうかは重要なポイントです。彼女たちの存在は、あなた自身の将来のキャリアパスを具体的にイメージする助けになります。
3. 柔軟な働き方を選択できる
リモートワーク、フレックスタイム制、時短勤務など、多様な働き方を選択できる制度があることも重要です。ただし、制度があっても実際に利用しづらい雰囲気がある企業も少なくありません。
実際の利用率や、利用している社員の評価が下がっていないかなど、運用の実態を確認することが大切です。SHEHUBのような企業口コミサイトで、実際に働く女性の声をチェックするのも有効な方法です。
4. 育児・介護との両立支援が充実している
産休・育休制度が整っているのは当然として、復帰後のキャリア支援や、短時間正社員制度、配偶者の転勤に伴う休職制度など、ライフステージの変化に応じたサポート体制が整っているかも確認しましょう。
また、育休からの復帰率だけでなく、復帰後に同等のポジションや責任ある仕事を任されているかどうかも重要なポイントです。
5. 女性のキャリア開発プログラムがある
女性リーダー育成研修、メンター制度、社外ネットワーキングの機会提供など、女性のキャリア開発を積極的に支援するプログラムがあることも、活躍を後押しする大きな要素です。
特に、管理職候補の女性を対象とした研修や、ロールモデルとの交流機会がある企業は、本気で女性活躍を推進していると言えるでしょう。
6. 組織文化としてダイバーシティが根付いている
制度よりも大切なのが、組織文化です。経営層が本気でダイバーシティ推進にコミットしているか、多様な価値観を尊重する風土があるか、女性の意見が経営に反映されているかなど、見えにくい部分こそが、実は最も重要なのです。
企業のダイバーシティレポートやサステナビリティレポートを読んだり、実際に働く社員の話を聞いたりして、組織文化を感じ取ることが大切です。
7. 透明性の高い情報開示をしている
女性管理職比率、男女間賃金格差、育休取得率と復帰率など、女性活躍に関するデータを積極的に公開している企業は、取り組みに自信がある証拠です。逆に、情報開示に消極的な企業は注意が必要かもしれません。
女性活躍推進法とは?知っておきたい基礎知識
2016年に施行された「女性活躍推進法」は、常時雇用する労働者が101人以上の事業主に対し、女性の活躍推進に関する行動計画の策定と情報公表を義務付けています。2022年の改正では、情報公表項目が拡充され、より詳細な情報開示が求められるようになりました。
企業が公表すべき項目には、以下のようなものがあります。
- 採用した労働者に占める女性労働者の割合
- 男女の平均継続勤務年数の差異
- 労働者の各月ごとの平均残業時間数等の労働時間の状況
- 管理職に占める女性労働者の割合
- 男女別の育児休業取得率
- 男女の賃金の差異
これらの情報は、厚生労働省の女性の活躍推進企業データベースで検索できます。企業選びの際には、ぜひこのデータベースを活用して、客観的な数字を確認してみてください。
えるぼし認定・プラチナえるぼし認定とは
女性活躍推進法に基づき、一定の基準を満たした企業は「えるぼし認定」や「プラチナえるぼし認定」を受けることができます。これらの認定を受けている企業は、女性活躍推進の取り組みが一定水準以上であることが公的に証明されているため、企業選びの一つの指標になります。
ただし、認定を受けているからといって、必ずしもあなたにとって働きやすい企業とは限りません。認定は一つの参考情報として捉え、実際の口コミや職場の雰囲気なども総合的に判断することが大切です。
実際に女性が活躍している企業の口コミ事例
制度や数字だけでは分からない、リアルな職場環境。ここでは、SHEHUBに寄せられた口コミから、実際に女性が活躍している企業の事例をご紹介します。
IT業界での活躍事例
IT業界は実力主義の傾向が強く、性別に関係なく評価される環境が整っている企業が多い業界です。プロジェクトマネージャーやエンジニアとして、20代で大きな裁量を持って仕事を任される機会も豊富です。
リモートワークやフレックスタイム制が導入されている企業も多く、ワークライフバランスを保ちながらキャリアを積める点も魅力です。ただし、プロジェクトの繁忙期には残業が増える可能性もあるため、タイムマネジメント能力が求められます。
コンサルティング業界での活躍事例
コンサルティング業界も、成果主義が徹底されている業界の一つです。クライアントに対して価値を提供できれば、年齢や性別に関係なく評価され、早期のキャリアアップも可能です。
多くのコンサルティングファームでは、女性活躍推進に積極的で、女性パートナー(経営幹部)も増えてきています。ただし、ハードワークになりがちな面もあるため、自己管理能力と高いプロフェッショナリズムが求められます。
外資系企業での活躍事例
外資系企業は、本国のダイバーシティ文化が反映されていることが多く、日系企業に比べて女性管理職比率が高い傾向にあります。成果さえ出せば、性別や国籍に関係なく昇進のチャンスがあります。
ただし、成果主義が徹底されているため、結果を出せない場合には厳しい評価を受けることもあります。また、企業によっては日本撤退のリスクもあるため、そのリスクを理解した上で選択することが重要です。

女性が活躍するために必要な5つのマインドセット
企業選びも大切ですが、あなた自身のマインドセットも、活躍するためには欠かせない要素です。ここでは、実際に活躍している女性たちに共通する5つのマインドセットをご紹介します。
1. 主体的にキャリアを設計する姿勢
会社や上司に任せるのではなく、自分自身でキャリアビジョンを描き、そのために必要なスキルや経験を積極的に獲得しようとする姿勢が重要です。「◯年後にはこうなりたい」という明確な目標を持ち、そこから逆算して今やるべきことを考える習慣をつけましょう。
2. 継続的な学習意欲
ビジネス環境は日々変化しています。新しい知識やスキルを学び続ける姿勢は、あなたの市場価値を高め、キャリアの選択肢を広げます。資格取得、オンライン講座、読書、セミナー参加など、自己投資を惜しまないことが大切です。
3. ネットワーキングを大切にする
社内外での人脈作りは、キャリアアップの大きな武器になります。メンターを見つけたり、同じような志を持つ女性たちとのネットワークを構築したりすることで、新しい視点やチャンスに出会えます。
LinkedInなどのSNSを活用したり、業界のイベントに参加したりして、積極的にネットワークを広げていきましょう。
4. 失敗を恐れずチャレンジする勇気
新しいプロジェクトや難易度の高い仕事に挑戦することは、成長の大きな機会です。失敗を恐れてチャレンジを避けていては、キャリアは停滞してしまいます。
もちろん、無謀なチャレンジは避けるべきですが、「少し背伸びすれば届きそう」なレベルの挑戦には、積極的に手を挙げる姿勢を持ちましょう。
5. 自分の価値を適切に主張する
謙虚さは美徳ですが、過度な謙遜は自分の価値を下げることにつながります。特に評価面談や昇進の機会では、自分の成果や貢献を明確に伝えることが重要です。
「こんなことを言ったら図々しいと思われるかも」という不安を乗り越えて、自信を持って自分の実績をアピールしましょう。
業界別|女性活躍の状況と特徴
業界によって、女性活躍の状況は大きく異なります。ここでは、主要な業界ごとの特徴を見ていきましょう。
金融・保険業界
金融・保険業界は、従来は男性中心の業界というイメージがありましたが、近年は女性活躍推進に力を入れる企業が増えています。特にメガバンクや大手保険会社では、女性管理職比率の目標を設定し、計画的に育成を進めています。
安定した給与体系と充実した福利厚生が魅力で、育休・産休制度も整っています。ただし、営業ノルマが厳しい部署もあるため、配属先によっては働き方に差が出ることもあります。
メーカー・製造業
メーカー・製造業では、技術職や研究職での女性採用が増えてきています。理系出身の女性にとっては、専門性を活かせる魅力的な選択肢です。
ただし、工場勤務が伴う職種では、夜勤や交代制勤務がある場合もあり、ライフステージによっては働き方を調整する必要があるかもしれません。一方で、本社勤務の企画職や管理職では、比較的安定した働き方ができる企業が多いようです。
商社・流通業界
総合商社では、近年女性総合職の採用を積極的に進めており、海外駐在の機会なども男女平等に提供されるようになってきています。グローバルに活躍したい女性にとっては、魅力的な選択肢です。
ただし、業務量が多く、長時間労働になりがちな面もあります。体力とタフな精神力が求められる業界と言えるでしょう。
医療・福祉業界
看護師、薬剤師、医療事務など、もともと女性が多く活躍している業界です。専門資格があれば、結婚・出産後もブランクがあっても復職しやすいのが大きなメリットです。
ただし、夜勤や不規則なシフトがある職種では、体力的な負担が大きい面もあります。自分のライフスタイルに合った働き方ができる職場を選ぶことが重要です。
広告・メディア業界
クリエイティブ職が多く、女性の感性や視点が活かされやすい業界です。特にマーケティングや企画職では、女性が活躍している企業が多く見られます。
華やかなイメージがある一方で、締め切りに追われるハードな働き方になることも。ワークライフバランスを重視する場合は、企業の働き方改革の取り組み状況を確認しましょう。
IT・テクノロジー業界
エンジニア不足を背景に、女性エンジニアの採用に力を入れる企業が増えています。実力主義の評価制度が浸透しており、年齢や性別に関係なくキャリアアップできる環境が整っている企業が多いのが特徴です。
リモートワークやフレックスタイム制を導入している企業も多く、柔軟な働き方がしやすい業界と言えます。プログラミングスキルなど、専門性を身につければ、市場価値の高い人材として長く活躍できるでしょう。
女性が活躍できる企業を見極めるための3つのステップ
ここまで、女性が活躍できる企業の特徴や業界別の状況を見てきました。では、実際に企業を選ぶ際には、どのように情報を集め、判断すればよいのでしょうか。ここでは、具体的な3つのステップをご紹介します。
ステップ1:公開データを確認する
まずは、客観的なデータから確認しましょう。厚生労働省の女性の活躍推進企業データベースで、気になる企業の女性管理職比率、男女間賃金格差、育休取得率などをチェックします。
また、企業の採用サイトやコーポレートサイトで公開されている情報も確認しましょう。女性活躍推進に関するメッセージや、実際に活躍している女性社員のインタビューなどが掲載されているかどうかも、企業の本気度を測る一つの指標になります。
ステップ2:実際の口コミを読む
公開データだけでは分からない、リアルな職場の雰囲気や文化を知るために、企業口コミサイトを活用しましょう。特にSHEHUBのような、女性に特化した口コミサイトでは、以下のような情報が得られます。
- 実際の女性管理職の人数や雰囲気
- 育休・産休の取得しやすさ
- 復帰後のキャリアパスの実態
- 評価制度の公平性
- 残業時間や働き方の実態
- 職場の雰囲気や人間関係
複数の口コミを読み、共通して指摘されているポイントに注目することで、その企業の本当の姿が見えてきます。
ステップ3:面接で直接質問する
最終的には、面接の場で直接確認することが最も確実です。以下のような質問をすることで、企業の本気度や実態を知ることができます。
- 「女性管理職は現在何名いらっしゃいますか?また、どのようなキャリアパスで昇進されていますか?」
- 「育休からの復帰率と、復帰後のキャリアパスについて教えてください」
- 「リモートワークやフレックスタイム制の実際の利用率はどのくらいですか?」
- 「女性のキャリア開発支援として、具体的にどのような取り組みをされていますか?」
- 「評価制度において、性別によるバイアスを排除するためにどのような工夫をされていますか?」
これらの質問に対して、具体的な数字やエピソードを交えて答えてくれる企業は、本気で女性活躍推進に取り組んでいると判断できます。逆に、曖昧な回答しか得られない場合は、注意が必要かもしれません。
よくある質問|女性活躍についての疑問を解決
女性活躍に関して、多くの方が抱える疑問にお答えします。
- Q1. 「女性活躍推進企業」と謳っている企業は本当に信頼できますか?
企業が自ら「女性活躍推進企業」と名乗っている場合、確かに一定の取り組みは行っている可能性が高いですが、それだけで判断するのは危険です。具体的な数字(女性管理職比率、育休復帰率など)や、実際に働く女性の口コミを確認することが重要です。また、えるぼし認定などの第三者認証を受けているかどうかも一つの判断材料になります。 - Q2. 女性が活躍できる企業とは、具体的にどのような企業ですか?
制度だけでなく、実際に女性が管理職として活躍していること、評価制度が公平であること、柔軟な働き方が選択できること、そして何より、性別に関係なく能力や成果で評価される文化が根付いている企業です。数字や制度だけでなく、実際に働く女性たちの声から、組織文化を読み取ることが大切です。 - Q3. 20代のうちに女性活躍できる企業に転職すべきでしょうか?
20代は、キャリアの土台を築く大切な時期です。もし現在の職場で将来のキャリアパスが見えなかったり、正当な評価を受けられていないと感じるなら、早めに動くことをおすすめします。ただし、転職は慎重に。自分の市場価値を高めるスキルを身につけつつ、理想の企業を見極める時間も大切にしましょう。SHEHUBエージェントのような、女性のキャリアに特化した転職支援サービスを活用するのも一つの方法です。 - Q4. 女性が活躍している企業はワークライフバランスが取れますか?
必ずしもイコールではありません。女性が活躍している企業の中には、高い成果を求められる代わりに長時間労働になりがちな企業もあります。「活躍」の定義は人それぞれ。キャリアアップを優先したいのか、ワークライフバランスを重視したいのか、自分の価値観を明確にした上で企業を選ぶことが大切です。 - Q5. 女性活躍推進法の認定企業とそうでない企業、どちらを選ぶべきですか?
認定は一つの目安にはなりますが、絶対的な基準ではありません。認定を受けていなくても、実際には女性が活躍している企業もあれば、認定は受けていても実態が伴っていない企業もあります。認定の有無だけでなく、具体的な取り組み内容や実際の口コミを総合的に判断しましょう。
まとめ|本当に活躍できる環境を見極める力を
女性活躍推進が叫ばれる今、多くの企業が制度整備を進めています。しかし、制度があるだけでは不十分。本当に大切なのは、その制度が実際に機能しているか、女性が性別に関係なく評価され、キャリアアップできる文化が根付いているかです。
企業選びにおいては、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 公開データで客観的な数字を確認する
- 実際に働く女性の口コミから、リアルな職場環境を知る
- 面接で直接質問し、企業の本気度を確かめる
- 自分の価値観やキャリアビジョンを明確にし、それに合った企業を選ぶ
- 業界の特性を理解し、自分に合った業界を選択する
そして何より、企業に頼るだけでなく、自分自身も主体的にキャリアを設計し、継続的に学び成長していく姿勢が、長く活躍し続けるためには欠かせません。
あなたらしく、イキイキと働き続けられる環境は必ずあります。この記事が、その環境を見つける一助となれば幸いです。
SHEHUBでは、実際に働く女性たちのリアルな声を多数掲載しています。気になる企業があれば、ぜひ口コミをチェックしてみてください。また、SHEHUBエージェントでは、女性のキャリアに精通したコンサルタントが、あなたの理想の働き方を実現するための転職をサポートします。
あなたの可能性は、まだまだ広がっています。自信を持って、一歩を踏み出してください。

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